昨年、オーダーをいただいたリピーターのお客様から、「美輪明宏さんのようなイメージでリースを作成してほしい」と追加のオーダーをいただきました。
美輪さんと言えばやはり「金」や「紫」のような高貴な色合いがふさわしい印象があり、それをリースで表現するにはどうすればいいのか、とても悩みました。
「金」は薔薇やヘリクリサム、ミモザなどの黄色の花で、「紫」はラナンキュラスやデルフィニウム、スターチスなどの青系の花で補おうとイメージしました。
この時期薔薇は高いとのことで少しだけチョイス。2月は空気が乾燥しているのでドライフラワーに最適な季節です。ハンギング法(逆さまにして吊るすだけ)であっという間に花が乾いてくれました。乾く時間が短いほど色がとても深くて鮮やかに乾きます。
次に薔薇と並んでメインにしたラナンキュラスはシリカゲルでドライにしました。ピンクに仕上がることを予想していたため、予想と違う仕上りに戸惑いましたが、青紫のなんとも言えない色あいが今回のテーマにマッチしてくれました。
シリカゲルドライはどう仕上がるのかいつもドキドキします。これがまたちょっと楽しいのです。
今回のリースベースは、写真上段の左側セリアの中サイズ(直径15cm)を使用。最終的にボリュームアップして直径25cm弱となりました。
リースベースに中段左側のアイスランドモスを敷いていき、その上に中段右側のスパニッシュモスを適当にちらばせます。さらにその上に下段のプリザーブドフラワーのアジサイ(ライムロゼ)を置いていきます。
以上の工程を終えた状態のものが上記画像です。この上にドライにした花たちを乗せてまいります。
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- ■ナチュラル リースベース
花材のご紹介の続きです。
リースの側面と内側にギッシリ敷き詰めた白くてキラキラと輝いているのがシンカルファカップブルーメンです。エバーラスティングと間違えそうですがよく見ると違います。
こちらがエバーラスティングです。ご参考まで。
一番最初に掲載した仕上がり画像の側面のシンカルファカカップブルーメンの下にちょろちょろと控えめに見え隠れしているのがダスティーミラーです。ほんとに少ししか見えていないのですが、ダスティーミラーが入ることで単純な側面に動きが加わってバランスが良くなったと思います。
とても地味ですが濃い色の花材との調和を取ってくれるデージー。とても好きな花です。
濃いピンクと赤の千日紅や青い花のデルフィニウム、白と黄色のマトリカリアも次々と乾いていきました。
黄色が薔薇だけでは足りないので、以前購入しておいたヘリクリサムの黄色も追加しました。
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- ヘリクリサム 貝殻草(カイガラソウ)、イエロー ヘッド/ul>
以上の花材たちをグルーガンではまだ付けずにイメージを見るために自分の頭の中で描いていたように置いてみます。イメージと実際が違う場合はよくあるので、臨機応変に花材を組み替えたり、使おうと思っていたものをやめてみたり、その逆で予定していなかったものを入れてみたりします。なので、幅広く使える花材を常備しておくことも大切かもしれません。かと言ってあまり長い期間在庫しておけませんので、そのへんの駆け引きは難しいところですが、経験を積みながら勉強したいと思います。
花屋さんに入荷するのを待っていたミモザも追加しました。まだ黄色が足りなかったので小さなミモザを少しずつ加えることで全体的に黄色い印象に仕上げられました。
ミモザを加えた最終的な仕上がりがこちら↑です。
上記のように直径25cmの箱にピッタリ収まりました。隙間を仏字新聞風の紙などの包装紙を丸めて詰めて動かないように固定し、このラッピングの上から透明のセロハンでしっかり包んで、ワレモノシールや上に物を置くのを禁止するシールを貼り、送り状を貼って発送いたしました。
翌日届いたというご報告のお写真には綺麗な状態そのままのリースが写っていて安心いたしました。ラッピングが綺麗なのでしばらく箱のままでも楽しむとおっしゃっていただきました。
花屋さんで出会った「旬」の花を使っていくことが楽しいし良いことなんだと今回改めて感じました。その花材を一番お値打ち価格で仕入れられるし、しかも元気なものが使えます。お料理と同じで、旬じゃない食材使っても高くついてしかもイマイチ…なんてありがちですよね。なので今後も都度、出会った花たちで作っていけたらなぁと思っております。「テーマ」を与えていただけるのは大歓迎です!今回とても難しかったですが大変勉強になりました。